聴こえないという感覚は案外分かってもらえない①

メニエール病で右耳の難聴の改善がもう無理だってなったあたりで、旦那さんに聴こえにくいの辛いんやっていう話をしたときに、ちょっとモヤモヤというか、イラっとする返しをされたことがありまして…どんな返しかというと…

 

「音楽のプロとかであれば大変かもしれないけど、そういうわけじゃないんだし、命に関わるような病気ではないでしょ」

っていう感じのことを返されたんですよ。

私、こんな感じのこと言われて、

「そうだよね、当事者じゃないんだし、聴こえなくて辛い人の気持ちなんて分かんないよね」

って言っちゃったような気がします。思っただけで言ってないかもしれないし、もう大分前の話なのでそこまでは覚えてないけど。

 

いや、今は旦那さんのこの発言を非難したいわけじゃないんですよ。(でも当時はちょっとイラっとした。)

旦那さんの性格もあるし(私よりも圧倒的に強メンタルだし)、私は専業主婦で耳を使うような仕事もしてないし、生活ができなくなるわけじゃないから大丈夫だよってことかもしれないし。知らんけど。

でも、聴こえないという感覚がどんなものかって伝えるのが難しいし、健常者に案外理解してもらいにくい感覚なのかなって思ったんです。

 

また、私はメニエール病になる前は普通に聴こえていたので、いわゆる後天的に失聴したことになりますが、生まれたときから聴こえない人つまり先天的に失聴した人もいます。

先天的か後天的かで当事者の気持ちも違ってくると思います。

私の場合はとにかく最初に難聴になった当初は精神的なショックが大きかったです。

めまい発作を繰り返していた最初の約1年は、いつ治らなくなるか、失聴するか分からないという状態で早くめまい消えてくれ、発作終わってくれという感じでした。

いざ、もう治りません、失聴が確定したときには、あ、右耳終了したわ。バイバイという感じでしたが、そのバイバイの中にはかなり自分を冷たく切り捨てる黒めの感情が入っていました。今まで家族に迷惑かけて頑張ってきたのに、結局失聴するのか、もういいよさようならという気持ちでした。

イヤホンで音楽を聴くのが好きだったので、もう両耳で音楽が楽しめないという悲しい気持ちと一生聴こえにくい生活をしなければならないことがほぼ確定し、気落ちもしました。(イヤホンの音量はちゃんと気を付けていました。過去に左耳で突発性難聴をやった経験があったので。)

当然、生活にも少なからず影響は出ます。

旦那さんの声は、声質的にただでさえ聞き取りにくいのに余計聴こえにくくなるし。

「あー?今なんて言った~?(おばあちゃん…)」というやり取りを1日1回はやっている気がします。

家族以外の人と会話していて、聞き間違えたり聞き取れなかったりして迷惑かけないかちょっと気がかりだったり。

コロナでレジや受付のカウンターにはアクリル板がついて余計に聞き取りにくくなるし。(感染対策を批判しているわけではないです。むしろ感染対策としては全然オッケーです。ただ、声を聞くという点では不利になってしまったなと感じているだけ。)聞き取れないけどそのまま何となく流れでレジ処理進めてもらっちゃうときとかあるし。本当はあんまり良くないと思うけど。

子供と散歩していて、後ろから車来てるのにクラクション鳴らされるまで全く気付かなかったり。(最近の車は静かっていうのもあるけど。あと、この時は歩道のない狭い道を歩いていたときでした。)

とあるイオンにある子供向けのゲーセンに行ってしばらくいたら、ゲーセンのうるさい音量のせいで左右の耳の聴こえが違うがために違和感が出てきて気持ち悪くなってきたりしたこともありました。だから映画やカラオケが楽しめるのか気がかりです。まだ行ってないんで分からないけど。結婚する前はライブやコンサートも行ったけど、今はどうだろう…

 

…とまぁ今まで当たり前に楽しめていたものが楽しみにくくなってしまったり、少なからず生活も不便に感じるときもあります。それでも私は左が聴こえるのでまだいい方なのかもしれないけど。

だけど、失聴して辛いし不便なんだよっていう気持ちは健常者には分かってもらいにくいのかなと感じます。他人だから気持ちが分からないのは当たり前?人による?

 

少なくとも耳が聞こえにくい人というのは、外見から分かるものではないし、自分からカミングアウトしないと分からないからまぁ気づきにくいっていうのもあるのかな。

私のように失聴したけど、補聴器なしでそのまま過ごしている人も結構いるのではないかと思います。補聴器はメガネみたいに気軽に買えるものではないし、使ってもあまり聴こえなかったというケースもあるだろうし。

………最後の方、完全に話が逸れたな。聴こえなくて辛い、不便なんだっていう気持ちの話をしていたのに。

ここまでは失聴に関する気持ちやメンタルの話でした。

実際聴こえはどうなのっていう話になると思いますが(こっからが本題や)、長くなったので、また次回。